ホラー映画『リング』(1998)を撮った監督って誰?
そんな疑問からこの記事を読みに来た人も多いのではないでしょうか。
『リング』の監督は、日本ホラー界を代表する 中田秀夫(なかた・ひでお)監督。
90年代後半、彼が生み出した“静かな恐怖”は海外でも大きな話題を呼び、「ジャパニーズホラー」というジャンルを世界に知らしめました。
リング 監督 中田秀夫のプロフィール
中田秀夫監督は1951年生まれの広島県出身。
東京大学文学部を卒業後、NHKに入社。ドキュメンタリーなどの制作を経て映画界に転身しました。
監督デビュー作は1992年の『女優霊』。
この作品の不気味な映像演出が業界で高く評価され、『リング』の監督に抜擢されたといわれています。


『女優霊』を観た後に『リング』を見ると、彼が“音の使い方”と“間”で恐怖を作る天才だと分かります。
『リング』でホラー界を一変させた
1998年公開の『リング』は、鈴木光司の同名小説を原作にした作品。
“ビデオを見たら7日後に死ぬ”というアイデアは当時の観客に大きな衝撃を与え、日本中で社会現象になりました。
貞子というキャラクターも、この作品で一気に知名度を獲得します。
『リング』についてのネタバレあり解説記事も併せてご覧ください!


中田監督の恐怖演出は、派手な血や驚かしではなく、静寂と空気感でゾッとさせるタイプ。
それが海外でも評価され、のちにハリウッド版『ザ・リング』へと繋がりました。
中田秀夫監督の代表作一覧
ここからは、『リング』以外の中田秀夫監督の代表作を紹介していきます。
ジャンルごとに分けて見てみましょう。
🩸 ホラー系代表作
- 『女優霊』(1996)
→ 中田監督の原点。フィルムのざらつきや照明が絶妙で、後の“Jホラー美学”の礎に。 - 『仄暗い水の底から』(2002)
→ 『リング』に次ぐ名作ホラー。母子の絆と水の恐怖が交差する静かな名作。
💬 管理人コメント:
> 怖いのに泣ける。この作品が中田監督の真骨頂かもしれません。 - 『ザ・リング2』(2005・アメリカ)
→ ハリウッド進出作。日本版よりスケールは大きいけど、根底に流れる“静かな恐怖”は健在。 - 『貞子』(2019)
→ 現代版『リング』。SNS世代の恐怖を描いた挑戦作。ファンの間でも賛否が分かれる1本。
🎭 人間ドラマ・サスペンス系
- 『Chatroom』(2010/英)
→ SNS世代をテーマにした英国映画。ホラーとは違うが“人の内面の闇”を描く点は共通。 - 『スマホを落としただけなのに』(2018)
→ 近年のヒット作。ホラーで培った緊張感ある演出がサスペンスにも生かされています。
中田秀夫監督の“怖さ”の作り方
中田監督の作品に共通するのは、「見えないものへの恐怖」。
貞子も、幽霊も、ほとんど出てこないのに怖いのは、
空間の静けさと映像の間を使って“想像させる”からです。
ホラー映画をよく観る人ほど、彼の怖さは深く沁みます。
最新作・今後の活動
中田秀夫監督は近年も精力的に活動しており、
最新作『禁じられた遊び』(2023)など、今もホラー界の第一線で活躍中。
若手監督からも“日本ホラーの神”と呼ばれる存在です。
2023年作品
- 『禁じられた遊び』
→母に会いたいと願う幼い息子・春翔が、かつて父から冗談で教わった呪文を真に受け、庭の盛り土に母を蘇らせようと試みることから物語が始まる。その行為は予期せぬ奇怪な現象を引き起こし、家族や周囲の人々を恐怖に巻き込む。子どもの純粋な願いとその暴走が生む恐怖を描いた、家族と超自然の境界を問うホラー映画。
2024年作品
- 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂』
→物語の舞台は、どこか懐かしい雰囲気の漂う町の駄菓子屋「銭天堂」。店主の紅子(橋本愛)は、訪れる人々に不思議な駄菓子を提供します。その駄菓子には、願いをかなえる力があるのですが、使い方を間違えると予期しない結果を招くことも…。人々が銭天堂での体験を通じて成長していく様子が描かれています。 - 『スマホを落としただけなのに 〜最終章〜 ファイナル ハッキング ゲーム』
→志駕晃の同名小説を原作とし、シリーズ第3作目であり最終章となる作品です。
スマートフォンを巡るサイバー犯罪と人間ドラマを融合させたスリリングな展開が特徴です。シリーズの集大成として、観客に衝撃的なラストを提供します。



『リング』などとは違ったテイストの作品ですね。今も精力的に話題作を生み出し続けています。
まとめ:中田秀夫が描く恐怖の本質
中田秀夫監督の作品は、ただ「怖い」だけじゃなく、
人間の心の闇や、孤独、罪悪感といった“内側の怖さ”を描いています。
『リング』から始まったJホラーの原点は、いまも多くの監督に影響を与え続けています。



派手な演出より、じわじわと精神を侵食してくる。
「Jホラー」というジャンルを確立した偉人の一人だと思います。
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